インプラントは、失った歯を補う効果的な方法ですが、長期間その効果を維持するためには適切なケアが必要です。ここでは、インプラントを長持ちさせ、お口の健康を保つための重要なステップや、日々のお手入れ、定期検診の重要性まで、インプラントケアにについて紹介します。
インプラントとは?
インプラントは、人工の歯根と、その上に乗せる歯の部分でできています。歯根はチタンという金属で作られていて、体にとてもなじみやすいです。そのおかげで、チタンの歯根があごの骨としっかりくっつき、このしっかりした歯根に、セラミックや金属で作った歯をつけます。これで、見た目も機能も本物の歯にとても近くなります。
そして、このインプラントを保つためには、毎日のお手入れが大切です。
正しいケア方法でインプラントを守る
ブラシの使い方
- 柔らかいブラシを使い、歯と歯茎を傷つけないようにします。
- ブラシを歯肉ラインに優しく45度の角度で当てます。
- 小刻みに振動させるようにブラッシングして、歯垢を取り除きます。
- インプラントの上部だけでなく、歯肉ライン周辺も丁寧に磨きます。
- インプラントの接合部分には特に注意して、磨きましょう。
ブラッシングの頻度と時間
- 朝食後と就寝前の1日2回は必ずブラッシングします。
- 各ブラッシングは2分間を目安に行います。
- インプラントだけでなく、お口の中全体を丁寧に磨きます。
- 夜のブラッシングは特に念入りに、行うと細菌の繁殖を防ぐことができます。
適切なフロスの使用方法
インプラントのお手入れには、フロスがとても重要です。このフロスはより優しく、スムーズに歯と歯の間やインプラントの周りをきれいにしてくれます。フロスを使う時は、手にしっかりと巻いて、インプラントのまわりを傷つけないように優しく動かしましょう。強く引っ張るとインプラントにダメージを与えかねないので、ゆっくりと丁寧に磨くことが大切です。
ウォーターピックなどの補助清掃ツール使用
ウォーターピックは水を使って歯の間やインプラントのまわりをきれいにする便利な道具です。フロスで届きにくいところも、ウォーターピックなら簡単にお手入れできます。使い始めは水圧を低めにして、徐々に慣らしていきましょう。歯間や歯ぐきに沿って水を流すことで、ブラシでは取りきれない汚れをしっかり落とせます。ただし、水圧が強すぎると歯ぐきを傷つけることもあるので、自分のインプラントに合った水圧を見つけることが重要です。
インプラントを守る食事の工夫
インプラントに優しい食事のポイント
インプラントを長持ちさせたいなら、食べ物の選び方も大切です。インプラントに良いとされる食事には、柔らかくて栄養豊富なものが含まれます。例えば、煮魚や蒸し野菜、豆腐などの食材は、噛む力が少なくて済むのでインプラントに負担をかけません。さらに、骨を強くするカルシウムを多く含む食品や、ビタミンCで歯ぐきの健康を支える食品を積極的に取り入れることが望ましいです。
インプラントを痛める可能性のある食品
インプラントがある口内では、硬いものを避けるべきです。ナッツや飴、氷など硬くて噛むのに力が要る食品は、インプラントにダメージを与える恐れがあります。また、粘り気のある食品や、細かい粒子がインプラントの隙間に挟まることのあるもの(例:ポップコーンの殻)も避けた方が良いです。これらの食品はインプラントだけでなく、自然の歯にも負担をかけるため、注意が必要です。
定期健診の大切さ
定期検診はインプラントを長持ちさせるために非常に大切です。半年に一度または年に一度のペースで専門医の検診を受けることをおすすめします。この検診によって、インプラントの安定性や歯ぐきの状態、隣り合わせの自然歯の健康状態をチェックし、問題が小さなうちに対処することができます。
定期検診では、歯科医師が以下のようなチェックを行います。
- インプラントの安定性の評価
- 歯ぐきの状態と炎症の有無の検査
- インプラントのクリーニング
- インプラントの上に装着されている冠やブリッジのフィットと噛み合わせのチェック
プロフェッショナルクリーニングは、自宅でのケアだけでは取り除けないプラークや歯石を取り除くため、定期検診時に行われます。特にインプラントの周りは、通常の歯と異なり、清掃が難しい部分があるため、プロの技術による徹底した清掃が必要です。これにより、インプラント周囲炎のリスクを減らすことができます。
インプラントの適切なケアは、毎日の生活の中での小さな積み重ねが大切です。ケア方法を習慣化することで、インプラントはもちろん、お口全体の健康を維持することができます。